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高浮彫の美を世界へ届けた名工・宮川香山と真葛焼の軌跡

真葛焼(まくずやき)は、明治期の日本が誇る輸出工芸の代表格として、今なお国内外で高く評価されている陶芸様式です。その発展を牽引したのが、幕末から明治初期にかけて活躍した名工・宮川香山(初代)です。
本記事では、真葛焼のはじまりと発展の歴史、そして宮川香山の作品が現在の市場でどのように評価されているのかをご紹介します。お手元に真葛焼の作品をお持ちの方や、陶磁器の価値にご興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

眞葛焼とは?

眞葛焼(真葛焼)は、19世紀に発展した装飾性の高い陶磁器で、明治期の日本において海外輸出用の美術工芸品として広く知られるようになりました。その特徴は、精緻な造形と華やかな色彩、そして何よりも陶器表面に施された立体的な装飾「高浮彫(たかうきぼり)」にあります。
金彩装飾を多用する薩摩焼に代わり、金を使わずに豪華さを表現できる真葛焼は、万国博覧会などを通じて欧米諸国で高く評価されました。現在では「真葛焼=宮川香山の作品群」として語られることが多く、国内外の骨董市場でも高い人気を誇っています。

宮川香山と真葛焼のはじまり

宮川香山(本名:虎之介)は1842年、京都・真葛ヶ原に代々陶業を営む宮川家に生まれました。父・長造は、京焼の名工・青木木米から学び、仁清写しなどを得意とした陶工であり、真葛ヶ原に窯を築いたことで「真葛焼香山」の称号を皇族から与えられました。
若くして父と兄を亡くした虎之介は、家業を継ぎ「初代 宮川香山」を名乗るようになります。製陶の腕を磨く一方で、岡山での技術指導を経て、明治初年には薩摩藩の支援を受けて横浜へ。翌1871(明治4)年、横浜市南区に「真葛窯(まくずがま)」を開きました。これが、横浜における真葛焼の始まりです。

世界を驚かせた真葛焼の技法と美意識

宮川香山と真葛焼明治期の海外では、金彩を多用した「薩摩焼」が人気でしたが、輸出用としてはコストや金流出の懸念もありました。そこで香山は独自の工夫を重ね、陶器の表面に立体的な装飾を施す「高浮彫(たかうきぼり)」という技法を生み出します。
この革新的な技法によって制作された香炉や壺は、明治9年のフィラデルフィア万国博覧会をはじめとする世界各国の博覧会で高い評価を受け、日本陶芸の名声を世界に広げました。これにより宮川香山の名は、欧米の美術界にも広く知られるようになります。

二代目・宮川香山による継承と進化

真葛焼の伝統は、やがて養子の二代目・宮川香山に引き継がれます。二代目は初代の作風を受け継ぎながら、清朝磁器を参考に釉下彩の技術を磨き、陶器から磁器への作風転換を推進。より洗練された造形美と色彩表現に挑みました。
大正〜昭和初期にかけて制作された二代目の作品は、古典的な和の美意識と近代的な感覚が融合しており、現代でも美術館・コレクター双方から高く評価されています。

現在の真葛焼の価値と買取市場での評価

その技と伝統を受け継いだのが、二代目宮川香山です。父・初代のもとで修業を重ね、真葛焼の格調を守りながらも、独自の意匠を取り入れて洗練された作風を築き上げました。特に大正〜昭和初期にかけての作品には、古典的な和の美しさと近代的な感覚が見事に融合しており、現代のコレクターからも根強い人気を集めています。

高額査定となるポイントは「銘・状態・来歴」

  • 宮川香山の銘が確認できる作品
  • 明治〜昭和初期に制作されたもの
  • 高浮彫・釉下彩などの特徴的な技法を使用
  • 欠け・ヒビ・補修のない良好な保存状態
  • 共箱や来歴の証明書など付属品が揃っている

香山作品の人気は国内にとどまらず、海外のオークションや展示会でも注目を集めており、将来的な価値上昇も期待されています。

【買取実例】二代目・宮川香山の逸品を高額査定

二代目宮川香山「真葛焼」二代目宮川香山作「真葛焼」
青海波彫色染付遊鯉図花瓶

我楽洞では、二代目宮川香山による真葛焼の逸品をお買取りさせていただきました。
作品の保存状態や造形の完成度はもちろん、横浜という真葛焼ゆかりの地で営業する当店が、この分野の買取を特に強化していることもあり、高額でのご成約となりました。

宮川香山の真葛焼をお持ちの方へ

真葛焼は、見た目の華やかさだけでなく、技法・作家・来歴といった多くの要素が絡み合う「知る人ぞ知る」名品です。その分、正確な真贋判定や技術的価値の見極めが必要とされるため、買取の際は専門知識を持った業者への相談をおすすめします。

我楽洞では、宮川香山をはじめとする近代陶芸作品の査定実績が豊富です。無料査定・出張買取にも対応しておりますので、お手元に気になる作品がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

近代陶芸作品の買取なら我楽洞にお任せください。

私たちが責任をもって、お客様の大切なお品物を査定・買取させて頂きます。

我楽洞では、創業から50年以上の歴史を持ち、近代陶芸作品専門の鑑定士が一品一品丁寧に査定を行っております。年間鑑定件数10,000件以上という豊富な経験を持つ専門スタッフが、お客様の大切な品物を真摯に査定し、適正な買取価格を提示いたします。

出張査定は無料で承っており、電話・メール・LINE査定からお気軽にお申し込みいただけます。LINE査定では、写真を送るだけで簡単に査定が可能ですので、忙しい方や遠方の方でも安心してご利用いただけます。査定後の買取にご納得いただけない場合でも、キャンセル料は一切発生いたしませんのでご安心ください。

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