董寿平の買取価格は高額です

董寿平について

董寿平は1904年、山西省南部にある臨汾市で生まれます。本名は董揆。董家は清朝中期（主に1700年代）に書画で名をはせた董霁堂を高祖とする血筋を持ち、祖父である董之焕も清朝末期に書家として活躍した家系でした。寿平も幼少期から祖父の薫陶を受け、書画を学んでいきます。18歳で北京世界語専門学校に入学後、天津南開大学の経済学部に転入します。

大学卒業後は独学で書道や絵画を研究し、のちの寿平作品の特色である花卉を題材にした松竹梅の山水画、黄山の風景画を描き上げ、画家としての基盤を築きました。また、シンプルな色彩と力強い筆致に見られる、墨に朱を配した紅梅図など、寿平独自の世界感も創り上げていきます。24歳で寿平に改名した際は、清朝初期の書画家・恽寿平の人徳に影響を受けたといわれています。28歳で自ら絵画作品を売り、積極的にアピールしていった寿平。その才能は瞬く間に世間に認知され、国内だけにとどまらず、海外からも称賛されます。

30代半ばになった寿平は、西安や成都などで約10年にわたり、書画の創作に従事していきます。1949年に中華人民共和国が設立すると、文具や印章、書画骨董などを扱う会社「北京栄宝斉」に就職。書画の創作を続けながら、編集や鑑定、人材育成といった仕事を兼務します。一方で建国前は、抗日戦争が激化していた時期。愛国心の強かった寿平は、戦争時に四川で絵画展を開き、そこで得た資金を寄付して自国の支援に勤めたというエピソードも。

1994年に華南で発生した水害では、香港の新聞社が率先して、名家の書画を募った震災救援のチャリティーバザーを発起。200人を超える書画家や彫刻家から、多くの作品が寄付されました。チャリティーバザーの総売上が約3300万円（240万香港ドル）に達するなか、寿平の出品した「风雨劲竹」は約400万円（29万香港ドル）と最高値を記録しています。翌年には「董寿平書画展」が台湾で開催されたほか、日本でも「中国画巨匠 董寿平の芸術」が出版されましたが、2年後の1997年にこの世を去っています。