市橋とし子について
市橋とし子(いちはし としこ)は昭和から平成にかけて活躍した日本の人形作家です。重要無形文化財「桐塑人形」の保持者(人間国宝)としても広く知られています。
市橋とし子は、1907年8月に東京都千代田区に生まれ、1925年に東京女子高等師範学校に入学。在学中に結婚します。卒業後は横浜に転居し、33歳のとき人形作家「今村繁子」の人形に感動したことから、すぐに今村の家を訪問し弟子として人形制作を学びました。
戦後、第1回現代人形美術展に出品した「午下がり」が特選第一席を受賞し、翌年に行われた第2回現代人形美術展でも出品した「おしくらまんじゅう」が特選第一席を受賞します。1961年には第8回日本伝統工芸展に出品し入選するなど、輝かしい成績を多数収めます。
1965年からは彫刻家である金子篤司に師事し、木彫や彫刻デッサンを学んだことを人形制作に活かすことでさらなる的確な構成力を見せ1967年には鑑査委員としても活躍しました。
1980年には日本工芸会理事となり、人形部会長などを務め上げました。1989年には重要無形文化財「桐塑人形」の保持者として人間国宝に認定されております。
略歴
1907年 | 東京都千代田区神田に生まれる |
1925年 | 東京女子高等師範学校保育実習科を卒業 |
1940年 | 人形作家「今村繁子」に師事 |
1948年 | 第1回現代人形美術展に出品した「午下がり」が特選第一席を受賞 |
1949年 | 第2回現代人形美術展に出品した「おしくらまんじゅう」が特選第一席を受賞 |
1961年 | 第8回日本伝統工芸展にて入選 |
1965年 | 彫刻家「金子篤司」に師事 |
1980年 | 日本工芸会理事、人形部会長 |
1985年 | 勲四等瑞宝章を受賞 |
1989年 | 重要無形文化財「桐塑人形」保持者(人間国宝)に認定 |
1999年 | 横浜文化賞を受賞 |
2000年 | 死去。享年93歳 |