志村ふくみについて
志村ふくみ(しむら ふくみ)は、1900年代~2000年代を代表する日本の染織家の一人です。紬織の重要無形文化財保持者としても知られています。
志村ふくみは、滋賀県近江八幡市で生まれ1942年に文化学院を卒業します。文化学院の1学年上には、女優の高峰秀子さんが在籍していました。31歳の時に若い頃に織物を習っていた母親小野豊さんの影響により織物を始めます。
1957年に初めて日本伝統工芸展で初入選を果たします。その後第5回においては激励賞、第6回・第8回では文化財保護委員会委員長賞、第7回には朝日新聞社賞と素晴らしい賞を数々受賞します。このような4度の賞を重ね、特待者となります。
1990年には農村の手仕事であった紬織を芸術の域に高めたことで、植物染料と紬糸を用いた紬織の重要無形文化財保持者に認定されます。また染織家だけではなく随筆の名手としても知られていて、その中でも一色一生では大佛次郎賞を受賞しています。
2013年になると、芸術体験を通して学ぶ場を作りたいと京都市左京区に娘と一緒にアルスシムラを設立します。娘は染織家としても有名な志村洋子さんです。この際の教本として「伝書しむらのいろ」を刊行しています。その年の5月にはギャラリーをオープンし、2015年になるとアルスシムラの二校目を嵯峨に開校しました。現在でも随筆家志村ふくみの作品は数多く出版されていて、その中でも源氏物語シリーズは人気を集めています。
略歴
1924年 | 滋賀県近江八幡市に生まれる |
1942年 | 文化学院卒業 |
1955年 | 母・小野豊の影響で織物を始める |
1957年 | 第4回日本伝統工芸展に初出品し入選 |
1964年 | 第1回作品展を資生堂ギャラリーにて開催 |
1983年 | 京都府文化功労賞を受賞 |
1983年 | 「一色一生」が第10回大佛次郎賞を受賞 |
1986年 | 紫綬褒章を受章 |
1990年 | 紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)の保持者に認定される |
1993年 | 文化功労者に認定 |
2013年 | 芸術学校「アルスシムラ」を設立 |
2015年 | 文化勲章を受章 |