舟越保武(ふなこしやすたけ)は、岩手県で生まれた彫刻家です。中学生の頃に読んだ「ロダンの言葉」に感銘を受け、彫刻家になることを決めました。東京美術学校を卒業後、石彫を研究し独自の方法で制作をはじめました。その後、女性の像やブロンズ像を主に制作しています。また、父親が熱心なカトリック教徒だったため、キリスト教を題材とした作品も発表しています。東京芸術大学や多摩美術大学で教授を務め、教育指導にも力を入れました。
略歴
1912年 | 岩手県二戸郡一戸町小鳥谷に生まれる。父親が熱心なカトリック信者。 |
1939年 | 東京美術学校(後の東京藝術大学)彫刻科を卒業。 |
1950年 | 長男が生まれるが急死。これを機に、自らも洗礼を受けてカトリックに帰依する。 |
1962年 | 「長崎26殉教者記念像」で第5回高村光太郎賞を受賞。 |
1967年 | 東京藝術大学教授を務める。 |
1972年 | 「原の城」で第3回中原悌二郎賞を受賞し、ローマ法王に寄贈。 |
1973年 | ローマ法王から「大聖グレゴリオ騎士団長」の勲章が授与される。 |
1978年 | 芸術選奨文部大臣賞を受賞。 |
1986年 | 東京藝術大学名誉教授に就任。 |
1987年 | 脳梗塞で倒れ、右半身が不自由になる。 |
1999年 | 文化功労者。 |
2002年 | 多機能不全で逝去。享年89歳。 |