静岡県沼津市と絵画の歴史
水揚げが盛んな反面、温暖な気候から保養地としても発展を遂げてきた静岡県沼津市。かつては大正天皇の沼津御用邸が設けられ、太宰治や井上靖などの文化人も沼津市で筆を執ったことで知られています。
絵画に関しては、沼津市庄司美術館が代表的な文化施設です。そのコレクションは山口源や前田千寸といった地元ゆかりの絵画作品を中心に、梅原龍三郎の「薔薇」であったり、棟方志功の「火の国の柵」なども名を連ねます。
山口源は国際展でも活躍した版画家で、前田千寸は教職者の顔も持つ日本画家。旧静岡県立沼津中学校時代の教え子では、井上靖がその1人です。
また沼津市の絵画事情を語る上では、白隠慧鶴の禅画も特筆すべき点に挙げられます。白隠慧鶴は江戸時代前半の禅僧で、書画にも長けていた文人画家です。
臨済宗における中興の祖として伝えられており、住職を務めた沼津市の松蔭寺には白隠慧鶴による「関羽図」や「楊柳観音図」などの禅画が残されています。
当時は伊藤若冲らも白隠慧鶴に参禅したといわれているだけに、現存する数少ない禅画の価値は計り知れません。
又、白隠慧鶴には後に白隠門下四天王と称される「遂翁元盧」「東嶺円慈」「大休彗昉」「霊源彗桃」の弟子がおり、「遂翁元盧」は沼津市松蔭寺の住職を継いだ人物でもある。白隠慧鶴と同じく書画も数多く残しており、
静岡県をはじめとする全国各地の寺院や図書館に所蔵されており現代において非常に価値ある作品と言われております。人物像としては、人付き合いを好まず書画や囲碁を嗜む住職であったと諸説ありますが、江戸時代に活躍した
文人画家・書家の「池大雅」との交流はあり、関係性などを考えますと、日本南画家の「与謝蕪村」などとも関係があったのではないでしょうか?
沼津市が所在する静岡県には、世界遺産にも登録されている「富士山」があります。富士山は、絵画作品のモチーフとして多くの画家が取り入れておりますが、その中には世界的に評価が高い「葛飾北斎」「酒井抱一」「横山大観」「片岡球子」など
日本が世界に誇る有名作家も多数「富士山画」を描いております。この様に、絵画界との縁深い静岡県沼津市で絵画買取我楽洞では日本画・洋画・書画・掛け軸をはじめとする絵画作品の出張買取に力を入れております。
ご自宅に保管されている山口源・前田千寸・白隠慧鶴・遂翁元盧・池大雅・与謝蕪村・葛飾北斎・酒井抱一・横山大観・片岡球子などの作品から作者不明の絵画まで、幅広いジャンルの絵画を買取させて頂きます。
売却の際は、絵画買取我楽洞にお任せ下さいませ。専門鑑定士が静岡県沼津市までお伺いさせて頂きます。
出張査定前に事前の絵画簡易査定をご希望される際は、メール・LINEにて売却希望作品のお写真をお送り下さいませ。お品物のご説明と簡易査定金額をお伝えさせて頂きます。
又、時代背景的に希少価値の高い作品や著名作家物に関しましては、鑑定書等のお写真をご確認させて頂く事でより正確な買取金額をご提示出来ます。
沼津市ゆかりの作家のご紹介
池大雅【江戸時代に活躍した南画家】
幼少より書を学び、7歳にして神童と呼ばれていたとの諸説があります。文人画家としてのスタートは、江戸時代中期に活躍した文人画家の「柳沢恭」に師事したことが始まりと言われております。
池大雅が残した作品としては、屏風や襖絵・掛け軸などがあり、画風としては独自性が強く室町絵画(水墨画)や琳派・西洋画の表現方法を取り入れた唯一無二の作品を世に残しています。
又、趣味が「旅」と「登山」を好み富士山にも登っていた様です。この際に、沼津市の松蔭寺に参禅しており、この当時の住職が「白隠慧鶴」です。「白隠慧鶴」以外にも、同じ文人画家「与謝蕪村」との交流もあり、1771年に共作した「十便十宜」があります。
現在では、重要文化財や国宝として認定されている作品もあり、池大雅とのつながりがある沼津市には見つかっていない作品が残されているのではないでしょうか。
竹久夢二【大正ロマンを代表する浮世絵師】
明治38年~昭和9年まで活躍した日本画家。独自の世界観で情緒あふれる画風を特徴とし、美人画を数多く残している「竹久夢二」。画家としての活動の他に、押絵や詩・歌謡・童話・書籍の装幀・広告宣伝物・浴衣のデザインなど幅広く活動していました。
彼の作風は、日本画の技法を用いた屏風や掛け軸にとどまらず洋画技法を使った油彩画・水彩画も得意としており女性像や風景を描いた作品も残されています。1924年には、浮世絵技法のひとつ絵師・彫師・摺師が分業し制作する新版画と言われる木版画作品を発表しています。
又、沼津市が所在する静岡県には、竹久夢二の熱烈ファンである郷土史家が長年収集した「志田コレクション」が有名です。近年、静岡市美術館において竹久夢二展が開催され恋人宛に書いた手紙・絵封筒などが紹介され話題になりました。
葛飾北斎【文化文政時代の浮世絵師であり肉筆画家】
江戸時代後期を代表する浮世絵師「葛飾北斎」。代表作の一つに「冨嶽三十六景」があり、その中でも「波間の富士」「赤富士」と言えば世界一有名な浮世絵と言っても過言ではないでしょう。そもそも、「冨嶽三十六景」は富士山が見える36の地域から異なる表情を描いた錦絵です。
但し、題名に「三十六景」とある通り36図が当初出版され人気が爆発し、版元が10図を追加出版した事で「冨嶽三十六景」は最終的に46図となったのです。又、江戸時代の浮世絵師「歌川広重」により旧東海道の53宿場を描いた「東海道五十三次」も有名です。その中には現、沼津市である沼津宿・原宿も含まれております。
因みに、葛飾北斎は「東海道五十三次」を元にした7種類の宿場を描いた作品を発表しております。生涯を通して描いた点数は3万点以上あり、浮世絵(花鳥画、美人画、役者絵)以外にも版画、絵本、挿絵、錦絵など数多くの作品を残した画家のひとりです。