茶道具と静岡県沼津市の歴史
古くから漁業が盛んで、焼津港に次ぐ静岡県2番目の水揚げ量を記録する沼津市。特に“アジの開き”は日本一の生産量を誇り、沼津市の代名詞として定着するほど。実は漁業や豊富な海の幸にとどまらず、茶どころとしての側面を持つのも沼津市の特徴です。沼津市の北部にそびえる愛鷹山の麓は、牧之原市や掛川市などに見られる、静岡県の代表的な荒茶の産地として知られています。
なお愛鷹山といえば、霊峰富士をバックに控える、標高1500mクラスの連山を形成する1つ。複数の登山口を設け、どこからも日帰りで登頂コースを往復できることから、近年は穴場として人気を博します。そんな愛鷹山の麓に広がる茶畑は、面積や生産量が王国静岡で抜きん出ている訳ではありません。それでいて「ぬまづ茶」は、今日の日本でブランドとして広く浸透しています。
これは沼津・愛鷹山で栽培される「やぶきた茶」が、昭和後期を皮切りに3度も皇室に献上されている経緯があるためです。いわゆる“お墨付き”と言えるなかで、「ぬまづ茶」が天皇家の目の届くあった場所にもちなみます。明治時代に建てられた、名勝地の島郷海岸に面する「沼津御用邸」です。沼津市役所から3㎞ほど南下した白砂青松を携える、沼津御用邸記念公園として名残をとどめています。
同公園内には、当時の皇太子(のちの大正天皇)の保養地として建てられた東西に構える附属邸のほか、千利休の国宝茶室・待庵を模した「翠松亭」なども見どころの1つです。ちなみに前述した沼津のブランド茶が昭和天皇に献上されたことをきっかけに、今日の沼津市にいたる由緒ある茶会も誕生しました。沼津御用邸記念公園で5月中旬に複数の茶道流派が集まる「ぬまづ茶会」です。2023年の開催は沼津市制100周年記念とあって、地元を本拠とする東海流茶道など“7団体”が一堂に介し話題をさらいました。
沼津市で茶道具買取を専門とする我楽洞では、これまで希少性の高い茶道具をはじめ、有名な作家や職人が制作した茶道具を出張買取させて頂いております。また、「遺品整理をしていたら古い茶道具が出てきた」、「引越しをするため片付けをしていたら茶道具があった」などお手持ちの茶道具を整理したい際は、我楽洞にご連絡ください。
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主な買取対象の茶道具としては、茶碗・茶杓・御風炉・釜・茶掛けなど幅広くあります。その中には、三千家ゆかりのものや著名な茶人が愛用した茶道具、千家十職と称される職人たちによって作られた茶道具も含まれます。また、中国や朝鮮など外国で作られた茶道具も買取対象です。茶道具を売るなら、業界有数の買取実績があり、国内最高峰の美術商の組合「東京美術商協同組合」に加盟している「我楽洞」へお任せ下さい。
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沼津市で買取対象の主な茶道具
茶碗、茶杓、御風炉、茶掛、花入、棗、蓋置、水指、風炉先、御釜、茶入、香炉、香合、菓子器、銘々皿、炉縁、茶棚、急須、建水、茶托、鉄瓶、土瓶、帛紗、書付もの、その他茶道具
千家十職の茶道具
表千家、裏千家、武者小路千家、遠州派、江戸千家、上田宗箇流、織部流、石州流、藪内流、その他の流派の茶道具
主な流派の茶道具
千利休、利休七哲、蒲生氏郷、細川忠興、古田重然(織部)、牧村利貞(兵部)、高山右近(重友)、芝山宗綱(監物)、前田利長、瀬田正忠、鎌倉時代の茶人、室町時代の茶人、安土桃山時代の茶人、江戸時代の茶人、明治時代の茶人、大正時代の茶人、昭和時代の茶人、その他有名な茶人
茶人が愛用した茶道具
樂吉左衛門、大西清右衛門、中村宗哲、駒沢利斎、中川浄益、土田友湖、奥村吉兵衛、飛来一閑、黒田正玄、西村(永楽)善五郎
海外で作られた茶道具
中国茶道具、朝鮮茶道具、外国の茶道具
その他、希少価値が高い茶道具、その他有名作家や職人の茶道具を買い取りしております。
沼津市での強化買取中の茶道具作家
金森重近(宗和)
金森重近(かなもり しげちか)は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した茶人で、「宗和流茶道」の開祖として知られます。
重近(宗和)は父から茶道を学びます。宗和流は「姫宗和」と呼ばれ、京都の公家たちの間で人気を博しました。重近は千利休の教えを尊重し、独自の流派に取り入れたとされています。
また、重近は京焼の名工「野々村仁清」の才能を見出したことでも知られていて、加賀藩の藩主前田利常からも高く評価されていました。宗和流茶道は金沢や故郷の高山を中心に伝えられ、1964年には高山市で無形文化財に登録されました。現在でも国際イベントや歴史関連の場で宗和流茶道が紹介され、ますます人気を集めています。
長野垤志
長野垤志(ながの てつし)は、愛知県で生まれた鋳金家であり、釜師です。
最初は洋画家を志していましたが、鋳金に転じて山本安曇と香取秀真に師事しました。27歳のとき、帝展で初入選し、1933年に同展で出品した『青銅方盤』が特選となります。長野垤志は、花瓶や鐘などの作品や茶の湯釜の制作で評価を受けました。また、釜に関する研究や書籍の出版も行い、63歳で重要無形文化財「茶の湯釜」保持者(人間国宝)に認定されました。1977年に77歳で亡くなりました。